2010年7月21日水曜日

製造業の人材育成について。日印ビジネスを考える。

今回は、今中国とならんで注目されているインド市場に関して。

最近の、カンブリア宮殿でもありましたが、
iPadの制作関係者の3人1人がインド人という話もちらっと
聞いたぐらい、インドの人材に関しては、今注目なのかと
個人的には思っております。

そんな中での今回の記事です。


「日本企業とのコラボレーションは具体的にどのような形を考えているか」「製品開発のための特定のパートナーはいるか」――。5月26日、JICA研究所(東京都新宿区)で行われたBOP(Base of the Pyramid)層向けの簡易冷蔵庫「チョットクール」の開発に携わったインドの大手財閥「ゴドレジ」のゴパラン・サンドラマン副社長によるビジネス講演会で、参加者から次々と質問が投げかけられた。

熱心に質問し、サンドラマン副社長と議論を交わしたのは、新興国ビジネスのヒントを得ようと集まった日本企業の関係者ら79人。サンドラマン副社長は「今後、さらに品質を向上させてコストを削減することを考えており、日本がそのための技術を持っていれば、積極的にコラボレーションしたい」などと答えた。

VLFMの手法でニーズをつかむ

BOPは、年間所得が3,000ドル未満の開発途上国の低所得者層。世界中で約40億人が相当するといわれており、将来的な「ボリュームゾーン」として彼らを対象としたビジネスが世界的に注目されている。

「チョット」はヒンディー語で「少し」の意。チョットクールは、コンプレッサーも冷媒も使用していない、容量43リットルの小型冷蔵庫で、重さ7.8キログラムと持ち運びにも適している。5~15度での保存が可能で、価格は3,250ルピー(約7,150円)~3,500ルピー(約7,700円)。8月に発売を予定している。インドで販売されている冷蔵庫は最も安い価格帯でも6,000ルピー(約1万3,200円)で、インド人の80パーセント以上は冷蔵庫を所有していないという。

サンドラマン副社長は、JICAが2007年から支援している「インド製造業経営幹部育成(Visionary Leaders for Manufacturing :VLFM)プロジェクト」に参加、プロジェクトで学んだ、金魚鉢の中に飛び込んで初めて金魚の生態を理解できるという「金魚鉢理論」に基づいた手法でチョットクールの開発に取り組んだ。

その手法とは、BOP層が暮らす地域に何度も通って潜在的なニーズをつかむこと。その過程で、彼らは毎日、または隔日で必要な食材を購入するため、冷凍機能や大容量の冷蔵庫は不要で、15平方メートルほどの家に住んでいることからコンパクトさが求められていることなどに気づき、チョットクールの開発につながったという。

伸び悩む製造業を人材育成で支援

インドは、新興国BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中華人民共和国)の一員として世界の注目を集めている。しかし、経済成長はサービス業などが中心で、雇用効果の大きい製造業は伸び悩んでいる。

インド政府は「製造業の競争力強化」を重点政策として、GDPに占める割合を16パーセント(2009年度)から25パーセント以上に高めることを目指しており、JICAに支援を要請。筑波大学の司馬正次名誉教授をプロジェクトのチーフアドバイザーとして迎え、研修を通じた人材育成システムの確立を目的としてVLFMプロジェクトが始まった。

プロジェクトの目的は、製造業の経営手法をインドの製造業の幹部に伝え、業界の変革を担うビジョンを持ったリーダーを育てること。CEO(最高経営責任者)コース、上級幹部経営コース、中級幹部経営コース、中小企業育成コースの4コースで構成されており、製品のコンセプトづくりからアフターサービスまでを含めた総合的な「ものづくり」に重点を置いている。

さらに詳しくは・・・

[参照:「製造業の人材育成支援でBOPビジネスのモデルも開発(インド)-研修を通じて日印のビジネス情報交換も-」 jica]

0 件のコメント:

コメントを投稿